PHILIPS CDM3

PHILIPS CDM3や搭載されたCDプレーヤーについて

登場から既に25年以上たつCDドライブメカCDM3。過去のメカですが、そんなコトもないのです。

PHILIPS CDドライブメカの概要

PHILIPS CDMドライブメカ

最近ではSSDやHD音源を利用した再生が多くなりました。下のマシンは6年前に製作したものでWIDOWSベースでHDはマザーボードから独立した6部屋に格納します。リッピング用CDRも同様に独立。電源部も独立した部屋に格納します。高さ約80cm重量30kgのPC音源専用のマシンです。電源部も400w程度に抑えています。オーディオボードが入っているためRCA出力をプリアンプへもしくは光出力でDACプリへも可能でした。

このPC音源専用マシンにはマルチアンプ用のデジタル・チャンネルデバイダーのソフトウェアをインストールしたので、Bluetoothで試聴位置からスピーカーのクロスオーバー周波数をクロスカーブを見ながら操作できました。PCモニターでは再生音源とFET画面(試聴位置での周波数特性)が表示できます。ユニット間のスロープは最高-96dB/octというクロスが可能でした。通常のスピーカーネットワークでは不可能です。また左右各ユニットのタイムアライメントも1㎜から合わせられました。

下の写真は内部のメイン基板。当時はintel core5か7で動かせていました。サウンドだけなので5の方が良い場合もありました。写真下に平行になる基板はサウンド専用基板です。すでに6年前になりますが、既存のmac系のPC音源はおもちゃのようでした。リッピング音源は最高1GBのデータで再生したりも可能でした。

このPC音源マシンの冷却ファンは電源部、メイン基板、筐体の通風、CPU冷却となります。水冷という方法もあります。PCでは当たり前なのですが、静音レベルは低いものが多いですね。

メイン基板をはずしてCPUを交換中。CPUやメモリはある程度自由に選択できました。当然ソフトウエアも常に最新版が入ります。
表面実装パーツ満載のメイン基板。冷却が命です。通常この手のマシンには冷却ファンが4個ついてます。

PC音源用マシンは部品劣化が早く、発熱に悩まされますので、各ファンを制御する専用ソフトをインストールさせます。これも回転数と温度モニターが可能でした。PC音源マシンは結局のところリッピング素材はレーザーダイオードで読み取り補正するという事になります。HDを使用している限り同様ですね。補正がリアルかどうかはそう問題ではありません。デジタルデータを読み込みアナログ変換する大元は変わりません。データ容量のサイズの差はありますが実際はデータの欠落が多数。PC用/オーディオ用のハードディスクのクオリティの低さや耐久性も問題などetc….PCオーディオはまたいずれ。

ヴィンテージ・デジタルプレーヤー?

本題のPHILIPSCDM3はCDM0,CDM1、CDM1MK2、CDM2から続くオランダPHILIPS社製のスイングインアーム・ドライブメカと制御基板となります。レーザーダイオードによるピックアップレンズが信号を読み取ります。レンズはドイツのローデンシュトック(Rodenstock )ガラスレンズ。その後々CDM9辺りからプラスティック製となります。CDM0はカールツァイスの5枚ガラス製です。性能や正確性はプラスティックレンズが加工精度上良いとされますが、10年、20年後どうかは不明です。ドライブメカはスイングアームの文字通り、振り子のようなシーソーのような状態で稼働します。メリットは多数ありますが、デメリットは振動に弱い事です。

STUDER A730

CDM3が搭載されたプレーヤー

PHILIPS CDM3が搭載されているCDプレーヤーはSTUDER A730、LUXMAN D500s、マイクロメガ、MD10、MD20(一部)などです。マウント方法ですが、当然ながらすべて平行に置かれています。本来STUDER A730も平行で使用するプレーヤーです。スタジオなどではコンソールに入れて平行となります。スイングアームメカという特質を考えれば明瞭です。

Krell MD10 transport アクリルカバーの下に水平計器があります。

ドライブメカのマウント方法で凄いのはアメリカのKRELL MD10です。スイングアームメカがアルミブロック塊の上にマウントされています。シャーシ本体は四隅のサスペンションでフロートさせています。さらに本体は四隅のサスペンションで水平を取る仕組みで、ドライブメカの水平計器が付いています。このサスペンションはCDM3ドライブメカのアルミブロック塊から削り出したものを浮かせてます。恐ろしくコストがかかった造りです。このCDトランスポートを今造ると当時の2倍してもおかしくないでしょう。下の写真をご覧頂くと20個程の部品をUPグレードすると、また一段と凄みが増すサウンドになりそうです。

KRELL MD10の内部(写真はHifi diy.net)

KRELL MD10でさらに面白いのはCDM3制御基板を別途KRELLデジタル社で手が入ったものとし、ドライブメカと放して別マウントしています。当時のKRELLデジタル社の人材は米軍やパソコンメーカーから引き抜いた人材がデジタル部分を設計したり、あるデジタル機器メーカーと提携して設計していたと記憶。

STUDER A730

STUDER A730機は通常コンソールに平行で設置されていますので、平行スタンドを製作しています。A730は3度ほどマイナーチェンジを行っていますが、大きな変更点として放熱があります。さらにドライブメカの制御についてです。小さな筺体にDACやドライブメカ、放送用のキュー機能など盛りだくさんです。もしこのマシンをKRELLのような造り方でまとめると興味深いものです。

STUDER 機などの詳細はSTUDER 整備ページなどをご参考ください。

STUDER A730

筐体をヒートシンクにしているため底面や裏パネルから冷やすと電源トランスすぐの三端子レギュレーターまで冷えてくれます。この付近に電源部のコンデンサーがあるためできるだけ冷やします。UPグレードする場合は電源部から新たに放熱板を取り付ける事もあります。STUDER D730MK2はヒートシンクが筐体の外に装着されます。

STUDER A730 ノイズレス空冷ファン

STUDERやPHILIPS、EMTなどのCDプレーヤーの取扱台数は、販売とレストア整備を含めると1年半で90台程かと思います。一般中古品からレストア~クロックまでUPグレードしたプレーヤーまで、サウンドの幅はものすごいものです。手を入れれば応えてくれるプレーヤーがPHILIPS製メカとDACを搭載した業務用CDプレーヤーと言えるでしょうか。その多様性は今でも面白い!NAGRAやLINN DS限定モデル、CD12、CHORDのデジタルプレーヤーの中で聴いても遜色ない状態以上の個体もあります。
これからはKRELLが製造したMD1やMD10、MD20などのトランスポートも面白そうな素材です。おそらく凄いトコロまで聴かせてくれるはず!

 

珍品!B&O CD3300

下のCDプレーヤーはB&O製のプレーヤー。これまでCDM3と思っていましたが、CDM2というドライブメカでした。こちらは珍しいメカです。CDM1をコストダウンしたドライブメカとなります。

B&O CDプレーヤー

CD規格登場期のPHILIPS LHH2000 (PHILIPS CDM0、CDM1)

PHILIPS LHH2000も現代のデジタルプレーヤーの中では稀有な一台です。スペックではなく、このプレーヤーの開発と音決めに携わった人材の質が極めて一流であったことが興味深い要因の一つ。新しい技術は今も、これからも登場するでしょう。しかし、CD規格が登場した当時、世界最高の才能と莫大な資金を投じる事は、この先PC音源やハイレゾ含めてないでしょう。現在のデジタルソースマシンのUIの不出来が物語っています。近い将来「AI音源」という世界がハイエンドに向いた時に大きなブレイクスルーがある可能性はあります。

PHILIPS LHH2000

Audio DripperがCDプレーヤーにこだわる理由は世界の音楽ソースで一番流通量が多いのはCDが圧倒的でからです。アナログ盤の2倍から3倍あります。今後はAIスピーカーのハイエンド版サービスなどより変化していくものと思います。


2017.10.16. 現在、STUDER A730のレストア版と一般中品2台が在庫ございます。PHILIPS LHH2000も在庫。