TANNOY Autographで愉しむ確信の放蕩

Tannoy Autographで愉しむ確信放蕩

1953 Guy Rupert Fountain

タンノイ・オートグラフは生涯をかけて鳴らし込んで、幸せだったと思えそうなスピーカーの一台です。


TANNOY Autographと言えば、オーディオ黎明期からJBLフラグシップと双璧を成してきたスピーカーですが、
今ではJBL Hartsfieldと同様のヴィンテージ品。一般の方にはおすすめしにくい一台で、複雑系の戯れを覚悟すべきスピーカー。

中古 TANNOY Autograph(TEAC扱い)

TANNOY Autographでいい音、正しい音を求めていくと、設置する部屋から考えていくオーディオの深みに陥ります。本気で墜ちていくとゾクソクする楽しさや苦しさも大きなもので、ヴィンテージカー同様の趣味の醍醐味を嫌でも味わう一品。
テクノロジーの産物でもあるオーディオは常に現代の技術をから生まれてきますので、約百年の時間を横断する事を止めるわけにもいきません。

西方の音

オートグラフも発売当時はフロントショートホーンとバックロードを使ったワイドレンジを目指す最先端のスピーカーでした。
日本では五味康佑氏がイギリスから輸入し、豪快でスリリングなエッセイ『西方の音』を残されました。私は19歳の時に古本屋で入手しました。文脈の端々から踊る様な心持が印象に残っています。現在再読すると印象は変わるような気がします。五味氏のシステムは練馬区自治体で保管されているそうです。

モニターSILVERやモニターREDの15インチを搭載したオリジナル・オートグラフは音の正否を超えた存在感があります。こうしたヴィンテージ品は歴史やその成立ち、設計者の情熱まで含めて知っていく事で愉しさも深いものとなります。

1970年代のタンノイ・オートグラフ

日本ではティアックが扱った時のユニットがK3808となり、国内の進工舎でエンクロージャーを製作していました。上の写真はスタッフがオートグラフを購入し、設置する時に撮った1枚ですが、思うように鳴らすことは相当に大変!だったとか。

オートグラフのバックロードホーンは約350Hz以下を受け持ちます。相当高い周波数までカバーしますので、人間の耳だと1KHz付近のフロントロードとの時間差は知覚できる事になります。クロスオーバーやホーンロードの受け持ち帯域がきわめて複雑系な関係。現代オーディオでは設定しない基本設計です。

オートグラフには合いませんが実験的にデジタル・ディバイダーでウーファーのタイムアライメントを進めていくと、すっきりとフォーカスが合いますが、それが良いかどうかは別の問題です。またオートグラフから放射される音響エネルギーは2台でおよそ畳2枚分もありますので、一般的な構造の部屋なら壁、床、天井を上手く共振させる事も考えるべきことです。巨体はサイズ以上に大きくALTEC A7が小さく感じます。

オートグラフの難しさはこれだけではありません。キャビネットの素材は18㎜(一部12㎜)の合板で、よく響きますのでバックロードホーンの時間差と相まってとても特徴的な残響が造りだされます。まだ他にも1インチスロートドライバーのホーンとなるウーファーも理想的なホーンロードとは言えません。スロートからコーン紙のカーブがロードがかかりづらい全長と形状です。特に形状は特殊である事はホーンの構造や材質の重要性をご存知ならおわかりでしょう。現代の概念からいくとツッコみどころがあり過ぎるのがTANNOY Autographす。同様の事はJBL HartsfieldやVITAVOX CN191、ALTEC A5&A4等にもあてはまるかもしれません。

それでもTANNOY Autograph。

Hi-Fiスピーカーとしては様々なトラップがあるオートグラフではあるのですが、オートグラフを部屋のコーナーに設置し、正面にスピーカーが見えない程にスピーカー間を開けて鳴らし込んだオートグラフの音を聴かれた事があるでしょうか?

その表現は響きの豊かなコンサートホールで演奏している実物に程近い音です。それは機器的特性や欠点を超えた背筋がゾクッとする説得力、リアリティがあります。オートグラフで聴くヨーロッパ王侯貴族が育てたクラシック音楽は、ホールが出現し奥行き感もサウンドステージのスケール感(尺度)もリアルに鳴ります。イギリス人は世界一流の音楽の聴き手であるという逸話が納得できる程。特に1940年代に録音された名手達の演奏、楽器の響きそのものが時代の違和感なく聴けることもオートグラフの魅力。

音楽が鳴りやむまで引き込まれる表現力、演技力は登場から70年近く経てもなお色褪せないものがあります。SILVERやREDが入ったオリジナルは中古価格 400万円以上で取引される事は不思議ではありません。またオートグラフも鳴らし方次第で、想像以上にダンピングが効いたウッドベースを聴くことも出来ます。

一旦、TANNOY Autographを導入すれば、導入したその日から、毎日が薔薇色だったり棘の日々を嫌と言うほど楽しめるでしょう。

おすすめは、もう一部屋に最先端のシステムを隠し持ってオーディオと音楽の時空を飛び回る事でしょうか!


TANNOY・タンノイ社

Tannoy Ltd.は、ガイ・ルパート・ファウンテン氏(Guy Rupert Fountain 1901年-1977年12月10日)によって創立。創立当初は、モニタースピーカー等も製作。ユニットは長年に渡り同軸型を生産しました。
現在、タンノイのヴィンテージ品はイギリスやアメリカでも見直され極上品は高い価格で取引されています。
スコットランドノース・ラナークシャーコートブリッジ(Coatbridge)

【AUTOGRAPHメモ】

※個別の個体、ユニットはたくさんありますので省きます。

・ALTEC 828等のキャビネットが入る導線があれば導入可能です。奥行き分65cm程の開口があればOK。

・重さも実質75kg位ですから床とのアクセス次第ですが、設置した後でも動かす事は簡単です。

・基本的にはコーナー型ですので、両コーナーでの設置から好みやルームアコーステッィクに合わせ調整すれば良いでしょう。

・床や壁は強固に越した事はありません。側板や底板は相当に共振いたします。壁にぴったりとくっつける必要はないかと思います。また底板は袴で浮かせてありますのでエネルギー放射があります。

・スピーカー間の距離ですが、過去に様々なセッティングで好評だったパターンは部屋の横方向・8m程離した設定でした(交響曲等の大編成)。立体感と音離れが良くスピーカーそのものが気にならない状態まで再現可能です。聴かれる音楽ソースによって調整されれば良いと思います。

・湿度にはひじょうに敏感です。可能な限り気にかけて頂ければ良いと思います。

・フロントホーンは木ネジで固定されているだけですので、ユニット等の手入れは比較的簡単です。

・ソファのクッション等を背にすればユニット交換等も可能です(K3808進工舎製のキャビネットにOLDユニットを取り付ける際は加工が必要な場合があります。)


Tannoy買取参考価格

Tannoy AUTOGRAPH オリジナル モニター SILVER ¥2,500,000~
Tannoy AUTOGRAPH オリジナル モニター RED  ¥2,300,000~

Tannoy GRF オリジナル モニター SILVER ¥1,350,000~
Tannoy GRF オリジナル モニター RED ¥1,150,000~

※動作品・目立つ傷がない状態

※他モデルやレプリカ、傷がある場合もご相談ください。


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