Sound&listening-room

丘ノ上の都心避暑地で。

音楽と現代ハイエンド・オーディオが生活空間で調和した避暑地


 専用リスニングルームで我が世界を構築する事はオーディオマニアの理想です。

一方で生活空間に寄り添ったオーディオの楽しみ方は素材が異なるパズルを完成させる楽しみ方があります。

生活空間という制約があるため、生活導線やシステム全体のデザイン性、住まう家族の都合やインテリアとの

テイストはオーディオ専用ルームより遥かに難しい事態を招きます。

 

 

リビング等に単品システムを置くと違和感を覚えることはないでしょうか? 生活空間へ機器を置く事は、音の調整と同じように難しいのです。買った物を設置して納得すればそれまでですが、そういう場合はそれまでです(笑)。スピーカーの真ん中に大型液晶TVがあったりすると、どんなに最先端で高価でも懐かしい【昭和の居間】の出来あがり。戦後日本の生活文化として落ち着く団らん風景ですので悪いわけではありません。テレビは平和な家庭の娯楽の王様でしたから。

リビングでの親和性はDieter Ramsが設計したBRAUN(Dieter Rams)製品のボタンデザインやスイッチ一つ一つのレイアウトや形、操作性から高いユーザビリティを感じます。特に配置の【間】は現在でも一流。残念ながら現代のハイエンドシステムやヴィンテージの名機が奏でるクオリティは望めません(在庫BRAUNスピーカーを聴くと・・・)。

ハイエンドシステムを生活空間に溶け込ませる理想形が、ご本人親御さんとも大学教授をされてるお客さまの居間。居心地のいい空感と音楽が共存する空間です。

 

室内の良さが伝わらない写真ですが撮影者の後ろにも同じ空間があります。

 

お伺いする度にオープンスタイルのショールームを造るなら、こんな空間でおもてなしをしたいと感じるリスニングルームです。

空間の広さは35畳程でしょうか。スマートフォンで撮影したため、失礼な写真となりましたが、醸す空気感は清々しい上質さで、訪れた人に余計な緊張感を与えないセンスには脱帽です。敷物やオブジェ、小物等のさり気なさは国内インテリア雑誌のスタイリスト以上のセンス。スピーカー背面の音響板はいずれ外されることと思います。

空間をフルに使えばシステムの設置や調整幅はもっと自由度が高くなると思いますが、ある程度の生活導線を優先されています。と言っても音のクオリティは高く、潜在能力は底知れないはずです。前回訪れた時にスピーカー位置やリスニング位置を変更させて頂いただけで、空間いっぱいに三次元音場が出現したディスクもございました。F1マシンのような現代ハイエンドオーディオを生活空間で調教する快感があります。写真はセッティング中ですのでケーブル類が目立っています。

 LINN SONDEK CD12や他ケーブル類のご自宅試聴では、ボーカルやJAZZでは予想と異なりましたが、クラシックのホールトーンや音色の薫り方は本物で、実のところ私共の試聴室では再現できていません。SONDEK CD12も先のBRAUNに匹敵するユーザビリティや侘び寂びにも似た引きの美学があります。Ayreも同様でJEFFとは隔世のストイズムを感じます。SONDEK CD12やAyre KX-R,MX-Rは音も姿もArtの領域まで踏み込んだ機器と言えるでしょうか。

 

納品させて頂いたAyreもシステムに馴染むと今以上に本領を発揮してくれるものと思います。

 

多事多端な日々と生活空間で調和するオーディオは、束の間の避暑地のような役割を担うかもしれません。読書の時や好きな人との一時に共有できる音楽は心良いものです。疲れ果てた時に一人で向き合えば勇気100倍です!いつも、音が極上ならば明日は今日より良い一日になると思えます。

 

写真の掲載ご許可の程、誠にありがとうございました。

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