Mark Levinson_ML-2L 整備.1

憂鬱なOLD Mark Levinson 整備録 ~1~

OLD Mark Levinson ML-2L(power amp)maintenance


整備待機中のMark Levinson ML2L 2set

 

2016年6月11日現在 ML-2L整備前の現状把握

1セット分のML-2Lの全トランジスタを計測したところバラバラの数値となりました。たいへんです!
音は出ていますが、モトローラ2N5684を全て交換する事となりました。いずれのトランジスタも数値変化がおかしく、一定にならないとの事。トランジスタはペアで±動作しますので、同一である事が理想です。ところが著しく違うわけです。音だし確認していた時にセンター定位していたことは摩訶不思議です。(こういう場合でも買取させて頂いたお客様はまったく悪くありせん。大体のヴィンテージ・ハイエンドでよくある現状です。)トロイダルトランスのモトローラバージョンはEIコアとはまた別の魅力がございます。

整備に当たってはオリジナルのモトローラトランジスタを計測すると状態がばらばらなため、モトローラの生産ラインで造られたトランジスタ(モトローラ社からトランジスタ製造部門などが独立した会社)を集めています。30年前のオリジナルトランジスタというだけでは価値がなく、その状態が重要です。オリジナルと称して販売されているものも多数あります。モトローラ生産ラインで製造されたトランジスタでも相当に高価で、トランジスタ部品だけで12万円程かかります。1ペアだけ交換するという事はいたしません。こだわらないレベルでいいのなら簡単なんですが。1台の中でマッチングを図り、2台でもバランスを取ります。

 

多少は異常な増幅率を示すモトローラTr(1980年製)
超異常な増幅率を示したモトローラTr。数値が一定に安定しません!約30年前のものですので仕方ありません。これでも音は出ているのです。

 

上記は同一筐体に入ったトランジスタの測定数値ですが、仮設定した電流の正常値が60~150(メータ読み)です。両方とも外れています。30年前に生産終了したトランジスタですので、全くマッチングはとれていません。これでも大型JBLモニターを駆動できる程の音は出ているのです。ML-2Lに搭載された12個全てをモトローラ製Trで揃えることは危ないとも言えますので、当時のモトローラTrの生産ラインで生産された、正常なトランジスタを使用します(マッチング精度や状態こちらの方が数段上です)。

ML-2Lの筐体の70%は電源部が占める狂気な仕様です。低電圧大電流とするアンプの究極的な姿(職人曰く)。トランジスタの絶縁体も崩壊寸前でしたので、50A流れても大丈夫なシートへ変更。レギュレーター基盤等の整備、引き直しも行います。

こちらのML-2Lはご予約はありませんので整備終了次第ご案内させて頂きます。現在、SPRAGUE電解コンデンサはまだ大丈夫な状況ですが、フルレストアご希望の方がいらっしゃいましたらお問い合わせ下さい。

 

しかも、ML-2Lが4台分です。

もう1セットあるML2Lも、上記のOneOwner品がNGでしたので、すべての健康状態を把握する事にしました。以前にオリジナルマランツ7等をご依頼頂いたお客さまが購入ご希望ですが、お待ちいただいています(・・・・たいへん申し訳ありません)。


【技術担当から ML-2Lの設計コメント】

良いアンプは低電圧(電圧を低く抑えて)にして大電流(大きな電流を流す)と言う法則があり、この時代のパワーアンプの直流電圧は、通常プラスマイナス50V(ボルト)~60V(ボルト)が当たり前の時代に、ML-2Lはなんと通常アンプの電圧の約半分の27ボルトの低電圧で動作させ、パワートランジスターのA(アンペア)は通常15A~20A程度のトランジスターを使用するところを50A!と、そのアンペア数は通常パワーアンプの2倍以上という大電流のパワートランジスターを使用したことに革新的な大きな意味があります。

ML-2LのTr数はその後のNo.20シリーズの1/2の数しかありません。形は似ていますが大きな違いです。鋭利な日本刀と鉈ほどのちがいがあるかもしれません。その肝心なトランジスタの特性が不揃いである事は致命的です。今後10年以上の将来的な動作安定性も考慮すると部品の選定が重要です。

音の良いアンプを作るには、『低電圧で大電流を流す』という理想を異常なまでに追求をしたパワーアンプがML-2Lです。当時のジョン・カールの狂気はパワーアンプの理想形を極端な設計手法と途方もない物量(電源部)で実現し、音として結実したところに凄みがあり、故に現代でも名機と言われるパワーアンプとなったと考えられます。しかし安定した特性を維持した完全動作するML-2Lのペアは極端に少ないため、現在ではML-2L本来の音を聴いて判断できるケースは稀です。


数年前の修理品でしたが、その状態はかなり厳しいものです。やるからには、世界最高レベルの状態を維持できるML-2Lを目指します♪ 


2016.8.5 現在 

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ML-2L 整備記録はAudio Dripper TOKYO「メンテLOG」へ移行しました


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